じゃあ、
クラッときたら
深呼吸して、酸素をたくさん吸えばいいんじゃない??
と思ったけど違うんだって。
吸った酸素が身体じゅうに行き渡るのに必要なものは?
鉄分不足のイメージは、学校とかで朝の集会時にフラフラして倒れる!みたいな感じだと思われてるんですけど。(そして、倒れるのを助けてくれた王子さまが・・みたいな妄想が・・)
もちろんそういう症状もあるにはあるんですが・・・
(起立性鉄分不足といって、鉄分不足とは違う場合もあります。低血圧の症状の一種です)
鉄分不足は実は
血液が酸欠になっている状態なんです。
なんか微妙に結びつかないですよね?血が薄いとか?そんなイメージ・・・
難しい話はやめといて、じゃあ、なぜ私たちは呼吸して酸素をとりこんでいるんでしょうか?
それは身体じゅうが「酸素をほしがっている」からなんです。
酸素劇場~《大事な手荷物:酸素》~
若いドライバー、赤い制服を着た、屁藻具(へもぐ)ロビンは困っていた。
「ぼくらの仲間の数では、この大事な手荷物をお客様に届けられない・・・」
毎秒毎秒、《酸素》という荷物が、集積センター「はい!深呼吸!肺センター」に運ばれてくる。その配達をまっているお客様がいる。
おいおい!なにやってるんだ。配達が滞ってるじゃないか!お客様の笑顔のために!大事な手荷物《酸素》を届けるんだ」
集積センターのリーダーは、運ばれてきた《酸素》が、配達されずに乱雑に山積みになった状態を見て、唖然とした。
しかし、集積センターのロビンたちの仲間は明らかに数がたりない。
度重なるダイエットや、食わず嫌いにより、メンバーが集められないのだ。
「いってきます!」
一生懸命《酸素》をかかえたロビンの仲間が、心臓が押し出す血流に乗って、配達に出かける。心臓も必死だ。
心臓は心臓で
「お前の送ってくる《酸素》が少ないから、ちょっと走っただけでメマイがするんじゃ!」
「お前の送ってくる《酸素》が少ないから、きれいな髪の毛の材料が手に入らずに、枝毛や抜け毛ばっかりじゃないの!」
などというクレーム対応に疲れ果てているのだ。
・・ロビンたちがせめて、いまより10%でも増えれば・・・
まだ!まだ《酸素》は届かないの?こんな量じゃたりないわ!
髪の毛製作担当の律子は、ドンドン質の下がっていく髪の毛を見ながら、なすすべがなかった。
昔はよい材料《酸素》がドンドン仕入れられて、つやつやの髪の毛をつくっていたのに。それが自慢だったのに。
もう、おわりなの?
・・・
・・
そう。
この状態が、鉄分不足のあなたのからだのなかで起こっているんです。
心臓は考えていた。
配達ドライバーのへもぐロビンは《鉄》と《たんぱく質》でできている。そのどちらかが足りないとロビンはできない。つまり、手荷物《酸素》を運べない。
酸素が運べなければ、身体じゅうで酸素を待ってる、あらゆる細胞に支障がでる。
身体を動かすこと
エネルギーをつくること
髪の毛や肌を作ること
それができない・・・。
この状況を指をくわえてみてるの?
どこかから、声がした。
ブランコをこぐ、ツインテールの少女だった。
それで、いいの?
あなたは。
いいわけないじゃないか!
何とかしたいんだよ。でもどうしたら・・・
ロビンを、増やすの。
え?
ロビンを増やすのよ。
ツインテールの女の子はそういって、ぱっと消えた。
そこには黄色い小さな果物が
なんだこれ?
ひとくち。
おお!これは!
心臓はその黄色い「サジー」をもって駆け出した。
なんですか?これ?
つかれきったロビンは、差し出されたサジーを見てつぶやいた。
いいから、飲んでみろ。
心臓にすすめられ、ロビンはくいっとひとくち。
うー!酸っぱいですねー
ん?
んんん?
おおおおおおおお
一人のロビンが、
ふたりに!
三人に!
五人!
十人!!!!!!
ふえてく!ふえていく!
おおおおおおおおおお!!
これで、《酸素》を、身体じゅうにはこべるぞ!
みんな、待っててくれれ!
よかった。
空気中から再びあらわれたツインテールの少女
彼女はいったい誰だったのか??